経理業務をしていると消耗品費と雑費という勘定科目が出てきます。両方とも似た費用に思えるかもしれませんが、それぞれ特性が異なります。それらを把握した仕訳をしないと、後々帳簿がまとまらずに困ってしまいます。最初に正しい勘定科目を選ぶのが重要なので、線引きをあらかじめしておきましょう。

消耗品費とは「価格が10万円未満」「使用可能期間が1年に満たないもの」のいずれかに該当するものです。真っ先にイメージするのは文具全般、名刺、伝票類などの事務用品だと思いますが、プリンターなども10万円未満であれば消耗品費になります。消耗品費と一言でまとめると使い勝手がよく、どうしてもかさんでしまいがち。まとめて消耗品費にしてもいいのですが、消耗品費と事務消耗品費に分けたり、価格帯で分けたりすると分かりやすくなります。

また、「消耗品費」と「消耗品」は異なる意味を持ちます。消耗品費は経費、消耗品は資産です。例えば大量にボールペンを購入し倉庫に保管する際には消耗品(資産)として計上し、後から使った分だけ消耗品費に仕訳する、ということもできます。どちらにせよ、決算時の振替は必須です。伝票のように消耗品として保管しておくと劣化してしまうものはこまめに注文して消耗品費に計上した方がいいかもしれません。ハイパーポップというサイトでは用紙の冊数やオプションを選び、必要情報を入力するだけで簡単に伝票印刷ができます。経費か資産かで扱い方は変わってくるので、注意が必要です。

雑費の認識は業種によって異なりますが、引越し費用やクリーニング代、証明書の発行にかかった手数料のことをさします。このように何にでも仕訳ができるので使い勝手がよさそうに見えるのですが、実際は消耗品費でまかなえることが大半です。雑費は用途が不透明なため、厳しい目でチェックされることも多い科目。経費の5~10%に抑えるのがベストです。基本的には消耗品費を使い、どうしても他の科目にあてはまらないときや年に1、2回使うだけの科目をわざわざ作りたくないときには雑費を使うのがいいでしょう。